私は30歳後半で上の子を妊娠した時は他人には言えませんが出産がとても怖かったです。
仕事から帰ると夜な夜なパソコンに向かい出産がやわらぐ方法を探したものでした。
もともと里帰り出産を考えていたので、産休が取れる頃に地元の産院へ転院することになります。
妊婦検診だけをお世話になった病院では、こんな不安は相談できずにいました。
出産は激痛だという恐怖
出産経験のある友だちからは「とにかく、とんでもない痛さ」という話しか出ないので、不安はただただ膨らむばかりです。
そんな時、実家のある田舎でも「和痛分娩」をうたう病院があり、気休めにも楽になるのかと思いそこにお世話になることにしたのです。
かくして、1人目は自然分娩、2人目は帝王切開となったのですが2種類の方法を体験した話を、同じく誰にも相談できずに喜ばしいはずの出産を恐怖とともに待つ方のためにお話しします。
和痛分娩って何?
1人目は、里帰りをして「和痛分娩」をうたう個人病院に通院しました。
「和痛分娩」とは、陣痛が強くなってきた出産間近の時に鎮痛薬を使います。
もちろん赤ちゃんには影響が少ない鎮痛薬を使います。
ただ、陣痛や出産の痛みは伴います。
出産時に痛みがあるため、自分でいきんで出産できるという点で、自然分娩に近い方法ということで芸能人でも選択される方がいるようです。
和痛分娩は無痛分娩と比べると痛みを和ませる程度の分娩方法です。
私の場合は妊娠中に問題なくスクスクと育っていた第1子で、それ以上の方法をしてくれる産院が地元で見つからなかったため、この方法を選んだようなものです。
私の場合は和痛分娩の意味がなく大変だった!
予定通りの40週0日に破水から始まったお産は、子宮口全開になるのに痛みを伴いながら8時間かかりました。
その後に和痛分娩のためか痛みが引いて陣痛が遠のいてしまったため、陣痛促進剤を打って陣痛を引き起こすことになりました。
(この時点で、もはや「和痛」の意味がなくなっている)
それにより、強い陣痛が起こり8時間半のたうち回るも、赤ちゃんが降りてきません。
「破水をして16時間以上、子宮口が全開したにも関わらず分娩が進行しない」との医師の判断で、吸引分娩をおこないました。
その頃には全体力を失い、いきむことはできず。
吸引を数回されながら、助産師さん2人がかりでお腹を押し、赤ちゃんを引きずり出すという状態になりました。
吸引分娩前に会陰切開をしたのですが、吸引が数回にわたったためかお尻まで大きな裂傷を起こし、大量出血しました。
縫う数も10針以上で、抜糸も大変でした。
その後の悪露は1ヶ月半続き、貧血でとても授乳できませんでした。
帝王切開は出来ない病院もあるの注意!
1人目の時も妊婦検診で言われていたのですが、2人目も頭が大きい状態で赤ちゃんはスクスク育ちました。
前回の出産が大変だったので、2人目は総合病院を選択しました。
大量出血などで何かあった際に輸血などがあれば、という思いからでした。
しかし意外にも、担当の医師から「児頭骨盤不適合」と診断を受け、「どうしますか?帝王切開にしますか?」と聞いていただける機会を得たのです。
1人目の時は、そんな質問して頂けませんでした。
個人病院では「帝王切開をやりません。」という病院もあるようです。
後で判った事ですが、私の選んだ個人病院はそのような病院でした。
私は2つ返事で帝王切開をお願いしました。
そして「計画的帝王切開」というものになったのです。
帝王切開日は、37週以降で担当ドクターの手の空いている日を指定されます。
それまで「星占い」というものを信じてきた私は「この子の運命(誕生日)はこんな方法で決まってしまうのか・・・。」と、少し後ろめたさを感じました。
決められた手術の前日までに入院手続きを済ませ荷物も揃えた状態で、落ち着いて病院に入りました。
帝王切開の準備から出産まで
手術に向けてお腹の下の方を剃毛をしました。
当日は朝から下剤を飲んで用を足し、時間に合わせて、とても元気な状態なのにストレッチャーで運ばれます。
オペ着の下は素っ裸でオペ室に入りスタッフが準備をする中でめくられた時はとても恥ずかしかったです。
お腹回りと背中回りに消毒が塗られていきます。
エビのように身体を丸くし 背中に表面麻酔を3箇所ほど打たれました。
唯一、これが痛かったです。
5分も経たない内に、みぞおちから下が 「もわん」 とした厚い毛布に包まれたような感覚になり、触ったり引っ張ったりするのは判るけれど、痛みや熱さは感じなくなりました。
意識はしっかりしてます。
でも、切ってる感覚は全くありませんでした。
急に大きく2回、肋骨あたりを押される感覚がありました。
まるで心臓マッサージをされているような感覚です。
助産師さんの声が足元でしました。
処置中は鎖骨あたりからカーテンがかかっていて、それ以下が自分では見えない状態なのです。
助産師さんから「頭が、出たよ!」との声が聞こえました。
1人目の時は16時間半もがき苦しんだので、あまりの早さに拍子抜けしたのを覚えています。
その後、赤ちゃんが元気に泣くのが聞こえました。
麻酔をしてから7分後の出来事ですした。
帝王切開して大量出血
帝王切開で無事に赤ちゃんが生まれました。
しかしここからがとても大変でした。
私は開腹した事で出血量が多くて血圧が低下し、意識を失いました。家族の話によると手術室から出た私は、血圧は70を切り体温も30度だったそうです。
呼びかけに一切反応がなくなりって握ってくれた手に力は無く、唇は土色になっていったようです。
私自身はとにかく眠くなり瞼が開かないという状況でした。
私を心配する上の子の甲高い声が頭の奥で聞こえたりしたのですが、そのまま眠りに落ちていきました。
家族も看護師さんも、右往左往の大騒ぎだったようです。
3時間後に電気毛布でグルグル巻きにされて布団を何枚も掛けられていた私は「暑いです。」と目を覚ましました。
術前術後は水分を取れない事もあって、ひどい喉の渇きです。
体温も戻って一安心ですが、あと8時間以上は絶飲の指示が出ており、がっかりしたのを思い出します。
そして眠りにつきました。
それから4~5時間後、開腹による左腹部の激痛で再び目覚めてナースコールで真夜中に坐薬を入れてもらい、また落ち着いてウトウトしてしまいました。
翌朝水を飲み、ベットから起き上がって自力でトイレに行き悪露も少なく、1人目の時とは大きく違い回復が速かったのが印象的です。
おかげで母乳も与えられました。
自然分娩と帝王切開の体の状態と感想
今までの私の経験から、自然分娩と帝王切開を比較します。
参考になればうれしいです。
妊娠週数
自然分娩 40週0日
帝王切開 37週5日 (帝王切開は、37~38週でオペになるそうです)
陣痛・分娩時の痛み
自然分娩 子宮口全開まで8時間+分娩時間が8時間40分 その間、陣痛の激痛
帝王切開 麻酔針の傷み程度
出産直後の状態
自然分娩 とにかく眠い・・程度
帝王切開 低体温&低血圧 で意識不明
出産後の痛み
自然分娩で出産後は座る事すらできない状態でした。
お尻の周りが激痛で排便の時やくしゃみ時には激痛でした。
帝王切開の時は傷口のひきつれ痛みがありました。
腹筋に力が入らず起き上がるのが苦痛でした。
双方ともに ロキソニン(鎮痛薬)が処方されました。
私は子宮収縮の痛みを感じる事はありませんでした。
抜糸
自然分娩の時は裂傷があり10針以上を溶けない糸で縫いました。
その後の抜糸が痛くて長引きました。
帝王切開時は溶ける糸で縫われ止めてあったので抜糸無しでした。
悪露
自然分娩では1ヶ月半ほど続いて大量出血しました。
これは裂傷が原因です。
帝王切開時は最初から普通ナプキンで済む程度でした。
産後の体の状態
自然分娩の後は虫歯になりました。
そして痔にもなりました。
前髪がごっそり抜け落ちる事もありました。
そして尿漏れになることもありましたね。
帝王切開の後は歯を食いしばっただけで奥歯が粉砕しました。
髪は抜け落ちましたが少量でした。
私はアルコールアレルギーなので帝王切開の時に使用する麻酔に弱かったのかもしれません。
そのため意識を失って危険な状態になった可能性があります。
そんな危険な状態を経験しても、私に次の機会があるなら、自然分娩より帝王切開を選びます。
どちらも貴重な体験ではありますが、子供が生まれてからの愛情は同じです。
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